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ダウンライトに照らされる妖艶な独特なオーラを漂わせる男からはもう色気しか感じない。
むらむらする。
これはお酒の力なのか。
「ねぇ」
気付いたら―――
「なんだよ」
「抱いて」
―――自分から催促していた。
「は……?」
男が眼鏡の向こうの目を見開いて驚いた顔をしたのがわかったけれど、後には引けなかった。
一途なフリして遊んでると思われているだろうか。ビッチだと思われているのかもしれない。振られたばかりなのに、なんて早い変わり身なんだって引かれているのかもしれない。
そんなの、どうでもいい。今のあたしは空っぽで、何にもないのだから。他に何でこの穴を埋めたらいいのか、わからないから。
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