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あたしが誘ったのだから、あたしから例えばキスとかした方がいいのだろうか。どういう風にしたらスマートなのか、わからない。
「キスはアリなのか?」
頭の中とシンクロしているのかと思うようなタイミングで、上にいる妖艶な男が訊ねてきた。思わず「へ!?」なんて変な声を出してしまう。
訊かれても困る。
何故にそんなことを訊くのか。
「訊き方をかえる。キスしていいか?」
だから、なんでそんなことを聞くのか。よくわからなくてキョトンとするしかない。
「なんで?キス、しないの?」
「………」
少し驚いたような顔をした男は何も答えてくれず、片方の口許をあげて笑った気がした。意味がわからなくていらっとして口を開こうとしたら、その唇をカタチの綺麗な唇で塞がれた。
半開きになっていたあたしの口に躊躇することなく男の舌が割り込んで来て、そこから男の熱をダイレクトに感じる。一瞬で、頭が真っ白になった。
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