失恋からの

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マサ君と付き合って二年くらい。いつもあたしの家に来てくれる主夫力高めなマサ君は、お料理だってとっても上手だ。 今日の夕食はマサ君特製のポークカツレツで。頬っぺたが落ちるくらい美味しかったので、速攻でペロリとたいらげた。 夕食を終えると交代でお風呂に入って、リビングでのまったりタイムが始まる。 映画鑑賞が趣味のマサ君の隣に座り、マサ君に凭れかかりながらうとうとしてると、「寝ようか」って優しく声をかけられて寝室に行く。 ウチに来た日は、だいたい泊まってくマサ君。泊まってく日は、必ずあたしを抱く。だいたい週に一度くらい。 あたしの初めてはマサ君で。マサ君しか知らないあたしは、いつもマサ君の欲を受け入れるのにとにかく必死で。その行為はそういうものだと思っていた。 何よりあたしはマサ君が好きだったから。他の人と違って、ありのままのあたしをちゃんと受け入れてくれた人だから。あたしだってマサ君のことを全部受け入れる。 マサ君の隣は心地よくてちょうどよい。上手くいっている、と思ってたのにどうしてこうなってしまったのか。 ―――顔と金だけじゃん。それ以外におまえになんか良いとこある?
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