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マンションのエントランスの前、見たことないような悪い顔をしたマサ君があたしを見ている。この男はいったい誰なのか、わからない。
二年付き合って一緒に過ごしたはずのマサ君が、全然知らない人に思えた。
「いつから浮気してたの?」
「浮気?あー、逆。そっちがおまえ」
「え?」
「だからー、おまえが浮気だっつってんの」
あんなに優しかったマサ君が、嫌な笑みを浮かべながら信じられないことを言う。
「ウソ……」
「ホント」
「あたしのこと、好きじゃなかったの?」
「好き?んなワケねぇだろ」
好きじゃないのに付き合ってた、と?あたしが一方的に好きなだけだった、と?まったく頭がついていかなくて、マサ君の言っていることが理解出来なかった。
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