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パタンとその場に崩れ落ちるように座り込んだあたしの目から、ポロポロと涙が零れ落ちた。こんなところで泣いちゃいけない。
部屋に帰ってからにしなくちゃって頭ではわかってるのに、身体が動かなくてどうしようもない。
あたしって、なんなんだろう。
なんでいつもこうなんだろう。
どうして上手くいかないんだろう。
顔とお金だけらしい。
他には何にもないらしい。
パパの言う通りお見合いとかして、さっさと結婚しちゃった方がいいんだろうか。
それならそこそこ幸せになれる。あー、あたしっていっつもそこそこだなぁって。中身が空っぽだから仕方ないかって。
虚しくて悲しくて苦しくて、たまんない。
ポタポタと床に涙のしずくがアトを作る。滲んだ目でそれをボンヤリと見つめてたら人の気配がして、煙草と爽やかな香りがして。
「―――慰めてやろうか?」
顔をあげると漆黒の髪の黒ブチ眼鏡の男があたしの前にしゃがみ込んでいて。顔を傾けながら、あたしを覗き込んで来た。
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