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黒いキジトラを見かけなくなって、最近雨だからかな、無事だといいな、と思っていたら、亡くなったとお世話していた方が教えてくれました。撫でさせてくれるようになってから二週間後でした。五歳くらいだったそうです。
わたしはただ通りがかって写真をとって撫でさせてもらうだけで、お世話していたわけではないのに、すごくすごく悲しくて泣きました。一週間くらいは泣いていました。最後だから撫でさせてくれたのかなとか、そんなの分かりませんが、さらに悲しくなって泣きました。最後に会った日、ごはんを食べていたのにわざわざこっちへ来てくれて、いい写真がとれて、撫でさせてくれて、元気そうに見えたのに、と涙は尽きませんでした。
そうしてそのあたりにはサビ猫だけになってしまいました。サビ猫は猫にはとても優しかったので、「ひとりになっちゃったね、さみしいね」と遠くから話しかけました。
わたしはどうしても黒いキジトラのことが忘れられず、猫を迎える決心をしました。
そうして引っ越しやら何やら紆余曲折を経て、今猫と暮らしています。サビ猫は、わたしが引っ越したあと亡くなったそうです。
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