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「怒らないから言えよ」
「えー、じゃあ言うけどぉ。――死んでるじゃん。今のあんた」
「もとからこういう顔だっつの」
「最近ますます干上がった男みたいに見えるよ」
「人を魚に例えるな」
言葉の応酬をしばらく交わした後、休憩時間の終了を知らせるタイマーが鳴った。
さて、仕事仕事、と新田は逃げるように席を立ち、さっさと持ち場へ戻っていった。凪も立ち上がる。
最初から、心なんて死んでるし。
流されるのが性に合っていた。木枯らしに吹かれ巻き上がる落ち葉のかたまりのように、何も逆らわず動かされず、時代の潮流に押されるまま生きるのが好きだった。
(だってそっちの方が楽しくない?)
なぜみんな抵抗するのだろう。上へ行こうとするのだろう。ここではないどこかへ、居場所を探しに出かけるのだろう。
俺にはわからない。周りの意思が。
凪はレジのカウンターに立ち、事務作業に集中した。
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