終章 

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   その後の専門的な話はじいちゃんとカール大伯父に任せて、俺とアレクはリビングを出た。 「なんかとんでもない話を聞いたような」  サイヴァのアホたれが見事な想定外だ。 「まさかの横領事件ですね、あれではシヴァさんが気の毒です」  ホントに。ディアおばさんの事といい、シヴァは苦労が耐えないな。 「あとはじいちゃん達がちゃんとしてくれるから大丈夫と思うけど、しかしなぁ」 「色々あり過ぎましたね、あの家は」  そういえば、拓海はあの一族の自社ビルにそもそもの問題があるって言ってたな。  どうせならこの機会に手放したほうがいいと思うのだが。あとでじいちゃんと話して見よう。 「アレクもありがとう、すっかり世話を掛けているな」  家族がいきなり渡米してきて、次に俺の入院か。そんで鷹の事件と、もう次から次だった。  いつゆっくり出来るやらだ。 「気にしないで下さい、師範代がちゃんと相談してくれるから俺も対応が出来ます。タクミもですが、出雲一家全てが自分には家族同様ですからね」  アレクは笑う。ありがたいけど、ホントにうちの一族って波乱万丈過ぎて、もう。 「アレク、年末は一緒に日本に行けないか?俺と夏那の身内だけで結婚式だ」  新郎新婦の身内は全部同じだけど(笑) 「ああ、それは素敵ですね。あとは旅費の問題か…」 「日本では結婚式の招待者の旅費は招待側が持つんだ。それは心配するな」  俺の経済力じゃアレク一人が精一杯だけど。やっぱりアレクには出てほしいもんな。 「そうなんですか?」 「そうだよ」  だから一緒に帰ろう。  あの家で身内に囲まれながら、夏那に美音の作ってくれる結婚指輪を贈るんだ。  あ、エルンスト副館長も呼ばないと怒るかしら(・・;)  やばい…
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