終章 

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   色々長引いているので、じいちゃん夫婦がエルンスト副館長の家に移動してきた。  前にエルンスト副館長が話したらしい、やっぱりホテル住まいは味気ないだろうと。  じいちゃんの頭の傷も痛まなくなったが、抜糸までもう一息だ。鷹の件もあるからもう少しアメリカにいるという。 「明日、御巫さんにご挨拶に行くわ。NYには結構来ているけど道場まではなかなか来れなくて」  呼ばれて副館長宅に言った俺に、ばあちゃんが言ってくる、また父兄参観か。  まぁ良いや。  こんな風な日常ならきっと悪くない。    そういえばディアおばさんちの化物屋敷だけど。  それだけはじいちゃんが、シヴァにミッターマイヤーではない会社に売却をするからと通達したらしい。だから一号店と自社ビルだけは買い戻せなくなる。  事情は言わなかったが、早急に転居先を探すようにと伝えたとの事だ。  シヴァ達はディアおばさんの店の一号店だから愛着はあったらしいが、とにかく古いので。建物の資産価値が低いはずなのに何故売却を急ぐのかと不思議な顔をされたという。    まぁ本当の事を言ったって、信じないヤツは信じない。じいちゃんはそれでディアおばさんに恨まれても別にいいという。  でもミッターマイヤー系列の不動産部にめぼしい転居先のリストを提出させている。それをシヴァに手渡していたらしい。  結局優しいんだよな、うちのアルじいちゃんはさ。
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