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どのくらいそうしていたのかわからない。
テーブルの上にマナーモードにして置いていたスマホが振動していた。はっとしてそれを手に取る。
美音からのメール着信だった。
それを開くと、拓海に抱かれていつものあの可愛い笑顔で眠っている鷹の写真がそこにあった。
終わったんだ。
直感的にそう思った。
鷹の悪夢を取り去る為に手を組んだ三人の守護神達は、きっとそれぞれに力の限り戦ったんだ。
ふと窓から外を見ると、もう夕暮れの風景になっていた。いつの間に…
『やっとゆっくり眠ってくれたの、いつもの鷹になったわ。昂兄、ありがとう』
俺は何もしていない、特殊な能力を持たない俺は、実際には何も出来なかったから。
だから最後はただ祈った。
鷹に笑顔が戻るように、あの子が幸せに成長できるように。ただひたすらに祈った。
「良かった…」
思わず涙が零れた。
鷹、お前はこんなに多くの人たちに愛されている子なんだよ。
だから何があっても大丈夫だ。
鷹は幸せになる為に生まれて来た子なんだから。
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