サイコパス部隊

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サイコパス部隊

「こんな世の中はぶっ壊してしまえ!」 某国がロボット兵器に搭乗したサイコパス部隊を僕の国に送り込んできた。人を殺めることを何とも思わない狂人部隊は、友人も家族も家族も殺し、屍をロボットのエンジン部分に積み込んでしまった。 ぼくは弔うことも出来ず、大切な人が戦争の道具にされるのを見ているしか出来ないのは耐えられない。ぼくはガラクタの中から銃をとり狂人部隊に立ち向かう。 ありったけの怒りと悲しみを弾丸にこめて、一人、二人、三人、四人、十人撃つ頃には、もう何も感じなかった。 「たった一人で狂人部隊を虐殺するなんて、君は英雄だっ! この国の誇りだ!」 偉い人から褒められた。 「君がこの国の最初のサイコパス部隊になれば、どこの国からも侵攻されなくなるぞ」 国を守れるのはいいが、ぼくまで狂人になるのは嫌だっ! 「それは、お断りします!」 「国を守れるんだよ、それが嬉しくはないのかね?」 「僕がされたように、無関係の人たちまで殺したくない」 「きみは既に無関係のサイコパスを何十何百と撃ち殺して来ている。今更それは虫がよすぎるよ?」 ぼくは何も言い返すことが出来なかった。 「安心したまえ、きみの遺伝子はこれからも優秀な人材を増やすために、ベビーミルに預けるとするから」 その言葉を聞いて、ぼくは腹を括った! 「わかりました、引き受けます」 ここまで腐ってしまったぼくの国を、サイコパスになってぶち壊してやりたくなった。国の偉い人も、軍人も、全てぼくがぶち壊してやるっ! 決意を胸に、ぼくはロボット兵器の勉強を積み、戦闘訓練を重ね、最初のサイコパス部隊となった。 それから一年後。ロボット兵器を駆りながら自国の軍隊駐屯地に向かう。 「こんな世の中はぶち壊してしまえ!」
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