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「穂高くん。診断の結果ですが、『突発性身体炎上症』という事が分かりました」
「……炎上?」
消毒液が仄かに香る病院の診療室。僕は白髪の院長にそう言われた。
「世界でも稀な症状です。感情が揺さぶられると、体が燃えるのです。かくいう私も実際にこの病になった患者に会うのは初めてです」
院長は何処か興奮冷めやらぬ様子でそう言った。身体が、燃える。でもそう言われて、不思議と違和感は無かった。
それもそうだろう。僕は昨日、本当に体が燃えたのだから。
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