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「余計なお世話、それに私付き合うならお兄ちゃんより将棋の強い人じゃないと嫌だから」
「琴子……いや、それ結構多いからな!」
「あ、そうだね。フフフ、ハハハハ」
「ハハハ、まったくなんて会話してんだ俺達は」
久しぶりに兄妹で笑い合え、俺はホッとしている。
そしてプロ編入試験に臨んだ俺は5人の試験官のうち4人と対局し2勝2敗となった。
編入試験の試験官は直近でプロになった5人が相手をする。つまりデビュー間もなく勢いのある若手との対局なのだ。
そして最終局、きわどい勝負となり、いよいよ決着の時だ。
「負けました」
この言葉は相手のものだ、つまり俺は3勝をあげ、プロ編入を決めたんだ。
やったぞ、琴子。そしてありがとう。今度はいつかお前がプロの舞台に来るのを待っている。それまで引退しないようにだけはしないとな。
終
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