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「言われて、みれば、です。今、思えば、そうだったの、かなって。」
意外過ぎる言葉に脳が追いついていかない。
今まで恋愛の一つもしてこなかったわけではないが、十も歳下の、それもたった一度会ったきりの子にそんなふうに想われていたなんで、思いもよらなかった。
何を言えばいいのかわからずに無言になってしまう。
「あ、でも、今は、違いますよ。」
涼香くんのその言葉に少しだけ安堵する。
別に涼香くんのことが嫌いだとかそういうわけでは無いが、もし、今でも好きだと言われても返答に詰まってしまうだろう。
こんなことを言い出すのは、最近よく一緒にいる彼女の影響だろうか。
『気になる、人が、いるんです。』
ある日突然そう言ってきた涼香くんが連れてきたのは如何にも大学生といったタイプの女生徒だった。
少し違うのは、何かが憑いているということだろうか。
俺には霊感というものが全く備わっていないので見えないが、涼香くん曰く、彼女と瓜二つの何かが背後にいるらしい。
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