塔矢の夏

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聞けば、都市伝説的な遊び【ひとりかくれんぼ】をしたと言う。 【コックリさん】やら【口裂け女】やら、都市伝説は時代の変化とともに姿を変えて伝わってきた。 近代ではインターネットの普及もあり、爆発的にその数を増やしている。 『友達の友達が言ってたらしいんだけど……。』 そんな感じで口伝えされてきたものが、今はSNSなどを通じて、あっという間に広まっていく。 【ひとりかくれんぼ】もその一つだ。 彼女から聞いて色々と調べてみたが、これが中々に面白いものだった。 実行者自身を呪う遊び、それが俺の見解だ。 彼女の後ろにいるものもこの遊びの副産物なのだろう。 「……助教授?」 急に黙り込んだ俺を涼香くんが覗き込んでいる。 「あ、あぁ、すまない、考え事をしていた。その後、彼女はどうだ?」 「今は、お祖父様の法事、とかで、実家に、帰られているようです。」
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