序章

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長身で無愛想な私と違って、愛花は小さくて如何にも守ってあげたいとなる雰囲気を纏っていた。 男なら誰でも私より愛花を選ぶだろう。 だから、明良も…。 もうよそう。 私は頭を強く振って思考を掻き消そうとした。 手元で明るく光るスマートフォンを指でゆっくりとなぞる。 流れていく文字を目で追う。 ひとりかくれんぼを実際にやってみた人が書き込んだものらしい。 リアルタイムで実況していたようだ。 実行者は二人。 声が聞こえるとか、視線を感じるとか。 四つん這いの子供を見たとか。 最初に始めた人が戻ってこないまま、書き込みは終了していた。 冒頭に詳しいやり方が書いてある。
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