明良

2/4
前へ
/212ページ
次へ
なんで今更、あの日の夢なんか…。 あの日から、俺はあいつが気になって事有る事に絡んでいた。 最初のうちはけんもほろろだったけど、しばらくすると少しづつ笑って話してくれるようになった。 告ったのは俺から。 無愛想に『いいよ』って言ったあいつの顔が少し赤かったのをよく覚えてる。 それが、高二の夏休みが終わってしばらくしてから。 一年も経たずに俺たちは受験生ってやつになった。 あいつは優等生だったから、東京の偏差値の高い大学を目指して猛勉強してた。 俺はと言えば、俺も東京行こっかなー、なんて軽く考えて勉強も殆どしてなかった。 結果は全滅。 俺は滑り止めで受けた地元のバカ大学に進学することになった。 あいつは第一志望の大学に見事合格して、春から東京で一人暮らしを始めた。 最初のうちこそ、毎晩、通話したりしてたんだけど、負い目もあったんだろうな。 少しづつ喧嘩が増えてった。 あいつは悪くない。 俺が八つ当たりしてただけなんだ。
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加