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「それなら」
と口を開いたのはペ292だった。
「それなら、親ってのは試験管って意味じゃないか?だから、兄弟ってのは同じ試験管から生まれた子供たちって意味だ」
「なるほど。親は試験管って意味か」
ポガロは納得したように頷いた。
ところが、今度はンーーーーーーー介太郎子がどこか腑に落ちない顔をしている。
「親が試験管ってのは、どうかな?確かに、意味は通るけど、親と試験管じゃ音が違い過ぎるよ。それなら、まだ親と大人の方が、両方とも『お』で始まっているから、似たような意味かなって気がする」
「いや、そんな事もないぞ」
ペ292が反論した。
「ほら、指を見てみろ。親指って言うだろ。これはきっと試験管に似てるから親指って言うんだ」
「ああ、なるほどな」
ンーーーーーーー介太郎子はあっさりと納得した。納得してから、ンーーーーーーー介太郎子は言った。
「でも、同じ試験管から生まれた子供たちって事はめちゃくちゃ沢山いるよな」
「ああ、そうだな。人間は五本の試験管のうちのどれかで作られているから、世界の五分の一は兄弟だ」
ペ292が返す。
ところが、今度はポガロが「それはおかしい」と言った。
「兄弟は基本的に一つの家に住んでいたらしいよ。しかも、場合によっては一つの部屋を共有したそうだ」
「そんなはずはないだろ。それだけの人数が一度に住める家なんかあるわけない」
「そうだ、一つの家にそんなにいれたら争いが絶えない」
二人が反論する。
「あれ?でも、兄弟はよく喧嘩をしたそうだから、本当にみんな同じ家にすんでいたのかな?」
ポガロは混乱してきた。
「ちょっと待てよ。それだけの人数なら、喧嘩と言うより戦争だよな」
ペ292が言った。
「そうか、戦争なら1000年くらい前までよくやっていたそうだ」
ンーーーーーーー介太郎子も言う。
「そうか。兄弟喧嘩と戦争は同じ意味なのか」
ポガロは全てが繋がったと言うように頷く。
「まあ、昔の人間は知能が低かったから、みんな別々の家に住めばいい事に気付かなかったんだな」
ペ292が笑う。
「戦争ってのはスペースの奪い合いで起こったに違いない」
ンーーーーーーー介太郎子も言った。
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