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ところが、
「待てよ。でも、兄弟が一番喧嘩するのは遺産の分割についてって聞いたんだけどな」
ポガロのこの一言で、また疑問が浮かび上がってきてしまった。
「遺産?遺産ってのは人が死んだ時に遺る金の事だな」
ペ292が言う。
「遺産の分割って…、分割も何も遺産は全て地球省の物じゃないか。それを貰おうなんて厚かましい奴らだな」
ンーーーーーーー介太郎子は憤慨した。
「でも、兄弟はそれなりに繋がりもあって、名前なんかも似た名前が付けられたそうだ」
また、ポガロが新しい情報を出した。
「似た名前?」
ペ292が聞く。
「そう。例えば、一番最初に生まれた奴には太郎、次に生まれた奴には次郎なんてつけたそうだ」
ポガロが説明する。
「おい、おい。同じ試験管で生まれた奴なんてめちゃくちゃいるんだから、何番目かなんて把握しきれないだろ」
ンーーーーーーー介太郎子が疑問を呈した。
「それに、試験管が五本あるんだから、それで言ったら太郎も次郎も三郎も五人ずつになっちゃうじゃないか」
ペ292も新たな疑問を投げかける。
もちろん、ポガロはそれらの疑問に対する答えを持ち合わせてはいないので、頷くしかなかった。
「な、そうだよな。俺たちの名前みたいに、コンピューターがランダムに作成した文字列の方が絶対に被る事がなくていいよな」
ポガロの言葉に三人は頷きあった。
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