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金曜日、学校から帰った私は貯金箱を開けた。毎年お年玉を貯めておいたので結構貯まっている。
「和哉くん、行くよ」
「どこへ？ 公園？」
「……のちょっと向こう」
私は和哉くんを連れて駅に向かった。
「和哉くんの町の駅はなんていうの？」
「知らない」
「えー」
まだ子どもだから知らなくても仕方ないか。でも分からなきゃどこ行きの電車に乗ればいいのか分からない。
「う〜ん、じゃあ和哉くんの行ってた幼稚園はなんていうの？」
幼稚園の名前には地名が入っているかもしれない。
「どんぐり幼稚園」
それじゃ分かんないじゃん。
「そうだ、じゃあ美紗ちゃんの小学校は？」
「まつどだいに小学校」
「まつど、松戸だね。分かった」
私は窓口で駅員さんに声を掛けた。
「松戸まで子ども1枚」
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