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和哉くんと叔母ちゃんは2階の部屋を使うことになった。
「あの部屋私が中学になったら使わせてくれるっていったじゃん」
お母さんに抗議した。
「しばらく使うだけだから」
「えー、しばらくっていつまでなの?」
私だって自分の部屋が欲しい。でもまだダメだっていわれて我慢していた。それを和哉くんたちに取られてしまった。この家は私の家だ。「将来は聖子がお婿さんもらってこの家を継ぐんだよ」といわれている。だから2階の部屋も私のものだ。
「和哉くん。何してるの?」
私は2階の部屋に勝手に入った。だって私の家だもん。
「塗り絵してるんだね。あ、これ知ってる。エブリマンだよね」
日曜日の朝やっているアニメのヒーローだ。和哉くんはまだ下手くそで思い切りはみ出していた。
「塗ってあげるよ」
あまりにも酷いので代わりに塗ってあげようとした。
「ダメ、僕の!」
「だってはみ出してるじゃん」
「いいの! 僕の!」
素直じゃないなあと思いながら色鉛筆を見ると、それは24色入りだった。私は12色入りしか持っていない。これだけあったら絵日記にたくさん色を塗れる。
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