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私はお父さんからプレゼントなんてもらった事がない。あんな酔っぱらいのお父さんからなんてもらいたくもない。もしお母さんとお父さんが別れたとしたら私は大喜びする。……のかな? 小さい時はお父さんの膝に座ってご飯を食べた。保育園の頃は一緒にお風呂に入っていた。肩車もしてもらったっけ。
やっぱりいなくなったら寂しいかもしれない。お母さんと2人きりなんて、寂しい。
私は色鉛筆を持って2階に上がった。
夏休みも終わり新学期が始まった。叔母ちゃんは仕事を始めた。そして和哉くんは幼稚園に通い始めた。私は幼稚園に通っている兄弟がいる同級生に片っ端から声をかけた。
「うちの和哉くんと仲良くするようにいっといて!」
家に帰ると私は毎日和哉くんと遊んであげた。遊びに行く時は必ず連れて行った。町中を案内した。公園やお寺や駄菓子屋さんや。この町の事を教えてあげた。
「和哉くん、お風呂入るよ」
「うん!」
私は毎日和哉くんとお風呂に入った。頭を洗ってあげたり背中を流してあげた。一緒にエブリマンの歌を唄ってあげた。
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