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和哉くんはすっかり私に慣れた。ご飯はいつも私の横で食べる。叔母ちゃんが仕事で遅い日は絵本を読んで寝かしつけてあげた。字を教えてあげた。
時々けんかもするけどご飯を食べるとすぐに仲直りする。叔母ちゃんも私に和哉くんを任せっぱなしだ。叔母ちゃんは少し顔が丸くなってきた。その方が叔母ちゃんらしくていい。
和哉くんはもう我が家の一員になった。と思っていた。
「叔母ちゃんおはよう」
「おはよう聖子ちゃん」
叔母ちゃんはシーツを干していた。
「いいなあ、お母さんなんて私のシーツ1週間に1回くらいしか洗ってくれないよ。和哉くんが羨ましいな」
「持ってくれば洗うわよ」
「え、いいの? ヤッター」
私は喜んで布団からシーツを剥がし叔母ちゃんに渡した。お母さんが気づいて慌てて叔母ちゃんにお礼をいっていた。お母さんも叔母ちゃんくらい働き者ならいいのに。
「おはよう」
和哉くんがさっぱりした顔で茶の間に来た。
「おはよう。朝からシャワー? 幼稚園で好きな子でもできた?」
「そ、そんなんじゃないよ!」
口を尖らせ和哉くんは朝食を食べ始めた。
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