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こんなはずじゃなかった、と優は思う。
こうなるのがわかっていたら、あんな助言なんてしなかったかもしれない。
暁生がここまでうまいこと笑顔を使いこなすとは思わなかったし、ここまで大きく育つとも思わなかったのだ。
完璧な容姿を手に入れた自信からか、あっちにもこっちにもいい顔をして、暁生はいつしか博愛主義のヘラオになってしまった。
気づいたときにはもう、優の後ろに隠れていた弱虫の少年はどこにもいなかった。
いつからか少年は、笑顔を崩さず愛を囁き続ける、胡散くさいイケメンにすり替わっていた。
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