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Monologue : Golden Everlasting
サンセットビーチの波音に心攫われると、爪先から指先、涙腺に響き、耳が熱くなる。ワイルドフラワーがフラッシュバックさせ、日焼けした素肌が沁みてヒリヒリするような胸の痛みを覚えて、少女は忘れようとした。両手いっぱいゴールドの花を抱えた少年を。
瞼の裏の鮮やかな色。瑠璃の海を眺める。目映い恋人達の燥ぎ声、渚を遠巻きにして。少女の着ている白いワンピースの裾は濡れ、もう逢えないのかと思うと足許がぐらつく。迷子になって、べそをかいた少年と水際で、指を絡ませた一瞬が網膜に灼きついたまま。
──ずっと、ここにいる。目が醒めるまで。あなたを決して、独りにしない、傍にいる。
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