Monologue : Golden Everlasting

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 リフレインして脳裏(のうり)を離れないフレーズ。青いシーグラスの破片(はへん)が反射する度に(よみがえ)る。(おぼろ)げな顔の分からない少年が叫ぶ声がした。波打ち際に浮かんでは消え、泡沫(うたかた)に飲まれ、ノイズの中で(わめ)いたとして永遠(とわ)に届かない。戸惑(とまど)いに君が好きと言えなかった真夏には。  スコールが止まず、びしょ濡れになった。青紫のチアノーゼになった唇にも涙が伝う。歯がカタカタ鳴るくらいに肌寒くて震えた。雷が落ちて、ネオンブルーの閃光(せんこう)の走る中、心ごと呼吸を奪った舌の熱さを覚えている。親に隠れて会った海辺のバスシェルターで。  忘れたくないキスを水底に抑圧(よくあつ)して(うず)め、地平線の彼方より遠い恋は忘却(ぼうきゃく)の中にある。
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