ついてないクリスマス

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置いてけぼりにされたのは秋哉である。 後半は、浅黄の視界にも入っていなかった。 ポカーンと口を開けて、ふたりの背中を見送る秋哉に、 「秋兄ドンマイ」 冬依がポンと肩を叩いた。 「ドンマイ」 テッペーも乗っかった。 「何がドンマイなんだよ!」 秋哉ひとり、いきり立って怒っていた。 ぐったりした顔で、秋哉と冬依が帰宅すると、 「ふたりともいいところに!」 と鈴音が玄関にすっ飛んできた。 あれからカズエを呼び出し、平謝りに謝って、ようやく許してもらえた次第である。 本当のところ、もうベッドにもぐり込んで寝てしまいたい。 しかし鈴音の様子もただ事ではないので、 「今度はなんなの?」 冬依はヤレヤレと肩をすくめた。 こっちこっちと鈴音は先に立って手招きしている。 「早く来て。夏樹の様子がおかしいの。私じゃ返事もしてくれないから、冬依くん呼びかけてみてくれない」 「えー、面倒くさいよ」 訳のわからない事態に振り回された冬依は、もう十分疲れているし、 「……」  巻き込まれて、オマケに振り回されまくった秋哉はもっと疲れている。
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