ついてないクリスマス

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ちなみに、秋哉はといえば、 「……」 すうすうと健やかな寝息をたてている。 蹴っ飛ばしても起きる様子はない。 ひと晩ぐらい床で寝ても、きっと平気そうだから、もうこのまま放っておこう。 冬依ひとりを部屋に押し込んで、それから自室に戻れば、夏樹のベッドはきちんとベッドメイキングがされていた。 鈴音は寝てしまったのだから、やってくれたのは、おそらく春一だろう。 リビングで鈴音と寝ている弟を目撃して激怒してたクセに、相変わらず世話好きなお兄ちゃんだ。 夏樹が整えられたベッドにもぐり込めば、昔、小さい頃に一緒に寝た春一の体温を思い出す。 あの頃、一番安心出来る場所が、春一の隣だった。 今も何も変わっていない。 だけど、 「やっぱ鈴音の方が、抱き心地良いんだろうなあ」 なんて、不埒な思いが湧くのはどうしようもない。 まあ、今日はクリスマスだ。 目を覚ました瞬間に、確かに感じた大きな幸福感は、間違いのないクリスマスプレゼントだった。 そんなことを考えながら、夏樹は冷えた布団にクシュンとひとつくしゃみをした。      ーー了ーー
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