兄弟と呼べる奴は一人もいない

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 今、物議を醸している統一教会は文鮮明が1954年に設立した右翼系宗教法人である。本部は韓国にあり、日本支部は安部晋三の祖父で当時首相だった岸信介の邸宅に隣接していたというのだから二人は切っても切れない関係にあった。で、二人が協力して結成した勝共連合は反共主義でウルトラ右翼団体だし、安部晋三が会長を務めた清和会は岸信介が1955年に結成した自民党の派閥だから統一教会とも勝共連合ともその昔から密接な関係にあり、殊に安倍晋三は有益な集票組織とも成り得る統一教会の広告塔になるなど統一教会とずぶずぶの関係になり、統一教会の霊感商法を悪徳商法と目する警察から守るべく統一教会、取りも直さず数多の被害者を生む悪の温床の守護神ともなった。だから山上容疑者は自分の母が統一教会に入信し、多額の寄付をしたり霊感商法に嵌ったりして破産し、自分もその煽りを食って大学に行けなくなったりして家庭が滅茶苦茶になった、その恨みを晴らすべく安倍晋三を死のターゲットとした訳だ。  だから非業の死と言うより自業自得の死を遂げたと言えるのだが、安部晋三は、2015年、ジャーナリストの伊藤詩織さんに対する準強姦罪の容疑で自分とずぶずぶの仲だった元TBSワシントン支局長の山口敬之に出された逮捕状を自分に忖度して執行直前に握り潰した中村格(当時警視庁刑事部長)を優遇し、2019年、参院選での1・5億円広島買収事件に於いて河井夫妻に公選法違反を犯させ、自分は政治資金提供の関与を問われ、おまけに取り半疑惑を持たれたが、広島地検と共に捜査を進めようとした広島県警を自分に忖度して捜査から降ろさせた中村格(当時警察庁次長)を2021年に警察庁長官に就任させる後押しをした。だから数多の罪過を問われず免責された儘、凶弾に倒れ、倒れた当初、意識があったと言うが、それは恐らく須臾の間のことで直ぐに心肺停止になって心臓マッサージも空しくほとんど苦しむ間もなく死んで行ったに違いない安部晋三。心肺停止イコール死ではないとは言え、医師が蘇生不可能と判断し、死と認めない限り死にならないというだけの話で銃弾が胸部に至り、心臓に大きな穴が開いていたというのだから既に死んでいたのだ。で、延命処置を医師に対して依頼出来るのは親族だけの筈なのに、「安倍元総理が搬送された奈良県立医大との連絡役を続けました。昭恵夫人が病院に到着するまで生命維持処置をお願いした」と高市政調会長が言った様に死後も血税を吸い取るように50人分という100単位の大量輸血を無駄に受け、心臓マッサージも延々と無駄に受け、「昭恵夫人が病院に到着するまで生命維持処置をお願いしたことが正しかったのか否かと苦しみ抜きましたが、御葬儀の昭恵夫人の喪主挨拶で元総理が最期に手を握り返してくれたと伺い、救われました」とそんな訳ないだろうという事を高市政調会長に自分の手柄であるかのように言わせ、世間に最期まで夫婦仲が良かったように思わせた。更に中村格警察庁長官にはSPの警護の不備を認めさせ、長官としての責任も認めさせる異例の発言をさせ、世間の同情を買った。更には無知蒙昧の為に献花台前に進んで訪れた多くの国民に献花を捧げられ、合掌せられ、悼まれ、悔やまれ、葬儀も盛大に行われたという訳で超ラッキーな死に方だ。この分だと安部と統一教会の関係が白日の下に晒されない限り追悼の意を込めて国葬されるんじゃないか。全くそれに見合った功績を残さなかったどころか罪過ばかり残したのに・・・  死んだ人を悪く言う奴があるか!況して憲政史上最長の政権を握った御方を!お前は馬鹿か!という声なき声が聞こえてきそうだが、ざっくばらんに言って安部も馬鹿なら安部を長期に亘って政権の座に就かせた国民も馬鹿なのであって別に悪く言ってるんじゃない。真実を述べようとすると、どうしても安部を非難しなければならなくなるのだ。  安部は幾ら罪過を犯しても疚しさを感じない屑だから上辺を平気で繕って柔和な安部スマイルや安部トークで以て俗物どもに好感を持たれるが、その中身は論語にある通り巧言令色鮮し仁で安部のことを知れば知る程、蛇蝎視すべき、白眼視すべき、唾棄すべき見下げ果てた卑劣漢だと分かるから僕はとてもじゃないが、安部を讃美する気にはなれないのだ。しかし、安部の死に関するネットの記事を読んでもユーチューブ番組を視聴してもSNSの書き込みを見ても安部にほぼほぼ好意的でテレビに至っては大手新聞社同様電通延いては政府に忖度して嘘塗れだけに生前の安部をまるで名宰相だったかのように褒め称え、だからこそ安部元総理の死を悲しまなければならないという空気を日本全体に蔓延させているのを感じる。(これを書いた頃は確かにそんな感じだったが、統一教会と自民党の癒着が明らかになって来ると、空気が変わって国葬に反対する人が多数派になった)  日本のジャーナリズムは糞で政府に都合の悪いことは報道しないのが常と言っても良い位だからそう感じるのかもしれないが、日本人らしく同調してるんだろうか、その気は無きにしも非ずだが、強ちそう限ったことでもなさそうだし、儀礼的でもなさそうなのだ。多くは、殊に金持ち優遇税制の恩恵に与った富裕層は、本気で悲しんでるのだ。無知蒙昧だから。それもあるが、日本人は論理的でなく感情的だから只々安部の死に方を痛ましく思い、安部を不憫に思い、安部の失政や疑獄事件を忘却してしまい、安部を美化してしまう。  そんなに安部思いなら何で容疑者が安部の背後に迫った時も一発目銃弾を放った後も誰も容疑者を止めようとしなかったのか、一般人は無理にしてもSPと県連のスタッフは止めるのは十分可能だった筈だが、安部思いじゃなかったのか。いざという時は一事が万事この有様で助けず、故人になってから歓心を買おうと悔やんで見せ、褒めて見せ、真っ当らしく振舞う、そんな印象を受ける輩もなくはない。殊に女なんか悲しむことが仕事みたいに泣いて見せて美しい涙を流しているように錯覚しながら悲しみを誘おうとする。  心から悲しんでいるのは安部の訃報を聞いてアメリカからすっ飛んで来たブリンケン国務長官だろう。と言うのも宗主国であるアメリカは属国を支配するにはストロングマンが必要で、ストロングマンと言ってもアメリカの操り人形なのであるが、因みに日本の初代ストロングマンが岸信介で当時の韓国のストロングマンが文鮮明だった訳で現在ブリンケンの傘下にあるCIAが岸信介に自由党と民主党を合併させる際に立ち上げさせた清和会がストロングマンの養成場みたいなもので安部晋三が死ぬまで、そのストロングマンだったのだから然もありなん。  日本でのストロングマンの使命はオフショアバランシング戦略成就に向けて、「台湾有事は日本有事であり日米同盟の有事でもある」と中国を煽り国民感情を煽りながら憲法改悪して防衛費を2倍にしてアメリカの兵器を爆買いして軍拡することであってアメリカは台湾有事が起きた場合、日本を戦争に巻き込み、中国と戦闘不能となる限界まで戦わせ、中国が戦力消耗したところで本格的に参戦して中国を叩くことである。だからこんな最悪なことに追い込もうとしていた安部は、致命的な罪過を犯していたのである。  僕は安部の他の罪過(知りたい人は僕の他の作品を読んでね!読む訳ねえか)を列挙するのは枚挙に暇がなくて面倒だから省くが、表に出て来ないマイノリティの人間は別として本当にどいつもこいつも空気を読んで万死に値する大罪人であるにも拘らず安部を持ち上げるから仮令、交流を重ねても兄弟と呼べる仲に成り得る者は一人もいないのではなかろうかとこの度の安部元首相銃撃事件を巡る一連の現象を見て改めて諦観する今日この頃である。       
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