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天音は、何とか絞り出すように
「一緒の部屋で、生活したら・・子どもができるような事も、
するわけじゃないですかぁ!」
思わず、勢いで語尾が上がってしまう。
こうなったら、最後まで言うしかない!!
「こどもができたら、認知してくれますか?
養育費を請求していいですかぁ?」
そう言って肩に力が入った。
バックをしっかり抱いて、地面を見つめた。
アラフォー女はもう夢を見ないのだ。
このセフレ持ちの男は、一人の女に縛られたくないはずだ。
私はセフレにはならないし、なれないだろうし・・
お互いの立場も曖昧だし。
でも、子どもができたら、この
現実を曖昧にはできない。
真剣な顔をして、吐き出すように言葉を続ける天音の顔を
久遠はハトが豆鉄砲をくらったがごとく、
あっけにとられて見ていた。
「・・こども・・「にんち」って何?」
ああ、
インターナショナル男は、言葉を知らなかったのか・・・
天音は拍子抜けしたように、
久遠の顔を見つめた。
それから、天音は噛んで含めるように、ゆっくりと言った。
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