土曜日の出来事

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「うん、だから、近藤に家屋調査と、ガーデナーを入れるよう頼んだけど?」 だからって・・・天音は唇をかんだ。 「その費用は、誰が出すかと いう・・事が問題で」 すぐに久遠が遮った。 「別に心配しないで、俺の方で やるから」 天音はぐっと拳を握った。 「あなたがお金を出すのなら、 私はあなたに、雇われる立場になりますよね」 そう、雇われ女将になる。 「そんな、固く考えなくてもいいんじゃない? 君の好きなようにして、俺は別にかまわないし」 久遠は、ニコッと笑った。 こいつに尻尾があれば、パタパタふっているだろう。 天音の考える難問は、もう一つ あった。 「前に、一緒の部屋じゃなくてはダメだって、 条件をだしましたよね。高原久遠さん」 再度フルネームで呼びかける。 「もちろん、当然でしょ!」 久遠はまたまたニコッと笑い、 おまけに白い歯を見せた。 むむむむ・・・ こいつに察しろという芸当は 無理らしい。
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