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「うん、だから、近藤に家屋調査と、ガーデナーを入れるよう頼んだけど?」
だからって・・・天音は唇をかんだ。
「その費用は、誰が出すかと
いう・・事が問題で」
すぐに久遠が遮った。
「別に心配しないで、俺の方で
やるから」
天音はぐっと拳を握った。
「あなたがお金を出すのなら、
私はあなたに、雇われる立場になりますよね」
そう、雇われ女将になる。
「そんな、固く考えなくてもいいんじゃない?
君の好きなようにして、俺は別にかまわないし」
久遠は、ニコッと笑った。
こいつに尻尾があれば、パタパタふっているだろう。
天音の考える難問は、もう一つ
あった。
「前に、一緒の部屋じゃなくてはダメだって、
条件をだしましたよね。高原久遠さん」
再度フルネームで呼びかける。
「もちろん、当然でしょ!」
久遠はまたまたニコッと笑い、
おまけに白い歯を見せた。
むむむむ・・・
こいつに察しろという芸当は
無理らしい。
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