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「そもそも七不思議のくせに7つもないことがそもそもおかしかったのよ。しかもそれらしいうわさの森のなかとか探しても何も見つからないし」
「あーあー、しらねーしらねー」
優子の止まらない言葉をてきとうに流しながら歩く。だって夏休みの研究では自分たちの住んでいる町について調べよう、って言われたときにこれだ!って思っちゃったんだから仕方ないだろ。なんて心の中で言い訳をするが口には出さない。言ったら絶対に優子がうるさいからだ。
「ほらついたぞ、ここだろ大人たちがおばけが出るから近づくなって言ってる湖」
その湖は少し濁った水の色をしていて、周りも草がたくさん生えていた。正直あまりきれいではないしなんか気持ち悪い。早く調べてとっとと帰ろう。
「じゃあおれはこの湖の周り調べるから、健太と優子は、うわぁ!」
「陽介!!」
脚を滑らせたおれは湖に落ちてしまう。二人の声が聞こえたような気がするが、正直よくわからない。くるしい。いきが。
ぱっと目が覚めたらそこはとてもきれいな花がたくさん咲いていて、そばにある湖も透き通っていて綺麗だ。空を見上げると今はまだお昼前のはずなのにオレンジ色になっている。
「どこだ、ここ」
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