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Secret×Secretive
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人は皆、プライベートではメリットを求めて他人に近づくものだと思っている。
そのメリットは人によって違っていて、一緒にいて楽しいとか、一緒にいて気が楽だとか……。あの子はお金持ちだから、あの子は賢いから、あの子はテスト範囲を知っている、あの子はスクールカースト上位……挙げだしたらキリがない。
面倒ごとに関わりたくない私が、メリットを求めてくる人達に近づいてこられないようにするにはただ一つ。
自分と関わることで生じるメリットを他人に見せないこと。
「だからといって、わざと成績を落としていい理由にはならないと分からないか? 佐藤旭」
「全くといっていいほど分かりません、佐藤夜明先生」
フルネームで呼び返したのはその場のノリ。明かりが消えた教室のド真ん中、机を向かい合わせての二者面談で、真顔で見つめ合う私達の背後では生徒の帰宅を促すチャイムのみが虚しくも鳴り響いた。
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