5,友達

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 趣味は趣味のままにしておくのが一番のように、フィクションもフィクションのままにしておくのが一番なのではないか。  彼はフィクションを今の現実にしてしまったことで、運営ゲームというものが好きでなくなってしまうのではないか。  不安に思った。  私といて楽しいと以前先生は言ってくれたが、それはイコールこの舞台が、このゲームが楽しいには繋がらない。キャラは好きでもストーリーは好きじゃない、そんな感想を持ち合わせていても、なんら不思議じゃない。  今城先生と見つめ合って数秒間。彼は立ち上がって、私の頭の後ろに手を回した。僅かに込められた力によって、先生の胸に顔を埋めることになる。私はその手のぬくもりに未だに慣れず、この香りを、物に、誰かに触れられることを、いまだどこか非現実的だと感じている。  感じるこの穏やかさは嘘か本当か。  私といて楽しいと言ってくれた彼は、この世界も楽しいと感じているのか。 「ユウがいれば、楽しい。ユウがいるから楽しいんだ。ユウがいない運営ゲームなんてする価値もない。ユウがいるからこの世界は楽しくて、価値がある。本当……神様にお願いして良かった」
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