5,友達

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 嘘か本当か確信出来なくて、想像しか出来ない今が恨めしいと感じ、同時に今が幸せだとも感じる。彼に触れることが出来なくて、触れられることがなかったこの私が今、こうして彼に触れることが出来、触れられている。失ったもの手にしたもの、どちらが大きいかと問われると、私は答えられない。 「何も心配しなくていい。ユウは何も、失っていないよ。僕にはユウの不安が分かる。ユウも僕の不安を、喜びを、分かるだろう? だって――さあ、一緒に口にしてごらん?」  私に勇気をくれた。  間違えても優しい先生は怒らないだろう。  間違えたときは間違えたときで、嬉しいと言ってくれる。そういう人だと私は知っている。  私は、先生が続ける言葉を、またしても口先で動かした。 『……言わなくても分かるだろう? だって──』 「僕は君で──」  君は僕で── 「僕は君の──」  君は僕の── 「「友達なんだから」」  そう。  私はあなた。  あなたは私。  私はあなたが生み出した。  あなたの理想。  あなたの友達。  私はあなたの──  イマジナリーフレンド。  
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