0,起床

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 本当に、人間というのは無駄が多い。 「まだなにか?」  こんな小さなやり取りで、一分、二分と消えていく。  人生で大切な時間を消費する。  無言という無駄な時間を彼はよく生み出す。  そしてそれを、惜しもうとはしない。 「……一緒に食べよう」  貴重な食料を、彼は惜しもうともしない。 「私にも『食事』という動作は必要ありません」 「知ってるよ」 「それなら蓄えておけばいいのです。お母様は毎日食料を出現してくれるわけではありません。冷蔵庫の中にある『そのまま食べられる食べ物』が無くなれば、先生は苦手な料理を自ら行う。大好きなゲームをする時間が減りますよ?」 「それも、知ってる」 「では何故?」  食事も、入浴も、排泄も、睡眠も必要としない私に何故それを求めるのか。  先生はまた、無言という時間を生み出した。  私は、先生の回答を待った。 「……言わなくても分かるだろう? だって──」 ◇◇◇◇◇
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