1,朝食

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 向けて、小さく呟いた。  先生の残した牛乳を、代わりにすする。  牛乳をすする音が効果音となる。  飲みきった最後になると、ストローは音を出す。 「でも、牛乳はだめだな。味噌汁を用意すべき。ご飯と牛乳より、ご飯と味噌汁の方が組み合わせはグッドだ」  お母様へ。  聞こえてますか?  今城先生は味噌汁というものをご所望です。  このままでは私が、牛乳消費係になります。  先生の栄養になりません。  ……え?  アレルギーでないのだから、飲ませろ?  先生の生徒達は、皆飲ませられている。  たしかに、先生だけ好き嫌いをするのは良いことではない。 「ユウ?」  彼は、私の行動に対し僅かに目を見開けた。  ただ立ち上がって、冷蔵庫を開ける。それは、彼にとって想像出来ない行動だった。  仕方ない。私は実体化して、自我が芽生えたのだから。  彼が驚く行動をすることだってある。  私に自我が芽生える。それは、先生にとって必ずしも理想通りに動く存在ではなくなるということ。  彼が心の底から望んでいないことを、私は実行した。
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