1,朝食

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「うぐっ!?」  望んでいないと分かっていて、実行した。  彼の理想通りに動くときは、私が彼の理想を叶えてあげるときだけ。  新品の紙パックの牛乳にストローを差し、彼の口に無理矢理加えさせた。 「残り時間は三分です。この程度の量、飲みきるのに一分もかからないでしょう。自己満足に栄養を補給し、早く生徒を迎えるべく観察体制に入ってください。あなたのすべきことは――学校の運営です」  これは、学校運営・シミュレーションゲーム。  私達はプレイヤーとして、生徒達を名門校へと導く。  私にセーブボタンはない。  ポーズボタンはある。  このポーズを解除すれば、時計の針は動き出す。  私の親の一人とも言える、今城先生の生徒達が、登校してくる。 「準備はいいですか?」  苦手な飲み物を流し込んで、味覚で拒否反応を起こしているようだ。既に先生は疲れ果てていた。 「さあ――始めますよ」  チャイムが……鳴り響いた……。
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