新たな出会い

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千沙は「やっぱりね」と呟いた。 「えっ」私は千沙はもっと驚くと思っていた。 「だって昔から澪、お兄さんのことを悪く言ったことないじゃない。写真も見せて貰ったけど超イケメンでしょ?澪は相当なブラコンだと思っていたわよ。だから彼氏を作ることにも興味が持てなかったのかなって。」 「千沙、私のことおかしいと思わないの?」 「だってお兄さんとは血の繋がりがないんでしょ。だったらそういうこともあるかもね。」 「でも、私は良くないと思ってるの。兄は兄だから。」 「お兄さんは澪のことどう思ってるのかな。私は所謂普通のお兄さんより、かなり澪のこと大切にしてると思うんだけど…」 「お兄さんは私のことは妹だと思ってるよ。大切にしてくれてるのは、やっぱりお母さんの連れ子だからだと思う。お兄さんもお母さんには気を遣っていたから。」 「そう…だったら澪、お兄さんのことを想うのは止めた方がいいわよ。お兄さんに気がないなら、澪は辛い想いをするだけだから。それに…やっぱり世間に容認されていない相手っていうのも幸せになれないと思うよ。」 「そう…だよね…」 「私、前から彼の友達を紹介しようかって言ってるでしょ。澪の写真を彼の友達が見て会いたいって言ってる人が結構いるんだよ。澪、一度お兄さん以外の人に目を向けた方がいいよ。」 「千沙、それはいいよ。」 「そう?また気が変わったら言ってね。」 千沙は私の告白にも偏見を持たないで聞いてくれてありがたかったし、私のことを思って言ってくれてるのも嬉しかった。 でも、私はどうしても他の男の人を紹介して貰おうとは思えなかったのだった。
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