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お店に行った後は、ピアノ教室に行った。
しかしお盆休み中の家庭も多く、生涯センターが空いているとはいえ、お休みする生徒さんもちらほらいた。
今日は五時で生徒さんの指導も終わちゃった。どうしよう、もう少し練習していこうか…
そうだよね。帰ったって一人だし…
私は少しセンターに残ることにした。
ピアノを弾いていると部屋のドアのノックがした。
返事をするとドアが開いて管理人さんが顔を覗かせた。
「成瀬さん、杉原先生が面会にみえてるよ。お客さんと一緒に。」
「はい。ありがとうございます。」
杉原先生がこんなお盆に?新しい生徒さんの紹介だろうか…
私は首を傾げながらセンターのロビーに向かった。
センターのロビーには杉原先生と隣にもう一人、男の人が立っていた。
「みおさん…さっき学校にみえて、この方あなたのお兄さんだっておっしゃってるんだけど…」
杉原先生の戸惑った声がしたが、私はその男の人を見て釘付けになった。
その男の人は私の顔を見ると、泣き顔でクシャクシャになった。
「ミオ…!…ミオだ…!…よく…よく無事で…!」
その男の人はそう言って私を抱きしめた。
…!!
「ミオ!!」
私はショックで意識を失った。
思い出した…
あなたは、私のお兄さん…
そして…
怜弥……
私が愛した人……
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