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「澪、勉強大丈夫か?私立受験するんだろ?」
「う、うーん、実は算数が特に苦手で、勉強するのも嫌だからピアノを弾いてたかな。」
私が言うと兄はクスッと笑った。
「お兄さんは勉強できるから笑い事だろうけど…」
私は思わず頬を膨らませた。
すると兄は笑いながら私の頬をぷにっと人差し指で押し始めた。
「澪は昔から頬がぷにぷにで気持ちいいんだよな。」
「…お兄さんやめてよ…」
これは昔からたまにされていたが、何故か今日はこれもドキドキした。
「澪、算数見てやろうか?」
兄は頬を触るのをやめて言った。
「でもお兄さんもテスト勉強するんでしょ?」
「俺は勉強ができるんだろ?」兄はニヤッと笑った。
「確かに受験算数はテクニックがいるからな。俺その辺は得意だから澪を教えるくらいどうってことないよ。」
「いいの?」
「ああ。澪、俺の部屋においで。」
「うん。」
兄はそう言ってソファから立ち上がり、私の手を引いて二階の自分の部屋に向かった。
兄に手を繋がれるのは久しぶりだった。
やはり私はそれもドキドキした。
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