高校~大学時代

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高校~大学時代

こうして、兄は第一希望の大学に合格して家を出た。たまにしか会えなかったが、帰って来た時は相変わらず優しかったし、時折私のことを眩しそうに見つめることもあった。 でも兄は好きなコがいると言っていたので、それに大して意味はないと思っていた。 私も相変わらず兄に会うとドキドキしたが、それは芸能人に対するドキドキと一緒だと思うことにしていた。 私も高等部に進学した。部活とピアノの生活に明け暮れて時は過ぎていった。 周りは男の子と付き合う子が増えていった。私にも紹介やコンパなど声が掛かったが、全部断っていた。男の子と付き合うことにそこまで興味が持てなかった。私の中ではやはり一番魅力的に思う男性は兄だった。 大学もエスカレーターで無事に上の大学の音楽科に進学できた。兄は希望通り院に進んだ。兄は就職も県外で考えていると言っていた。兄とはどんどん疎遠になることがわかって寂しかったが、彼の人生なので仕方がないとも思った。 私はこの生活がずっと続くと思っていた。 将来は音楽の先生かピアノの先生になりたいと思い、教職も取ることにした。サークルはオーケストラ部に入った。サークルは近隣の大学とも交流があり、その中には男子学生もいた。 さすがに私も異性に興味を持ち出した。その内誰かと恋愛して付き合えたらいいなと漠然と思うようになっていた。 しかし、違った。 大学一年の六月、 両親が急死した。 二人は車に乗って出掛けていた。 交通事故だった。
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