137人が本棚に入れています
本棚に追加
「…こうやって触られるのも初めて?」
…お兄さんにはあるけど…
「うん。」
「嫌じゃない?」
「嫌じゃないよ。」不思議と嫌悪感はなかった。
櫻井君は元々話しやすい人だからかな?
櫻井君は私の頬を撫でたまま、ため息を付いた。
「二人きり、やべえな」
「え?」
「庄野さん、まだオムライス残ってるよ。」
「あ、うん。食べる。」
「…俺、先に片付けるわ。」櫻井君は立ち上がって食器をキッチンに持って行った。
食べ終わり私も食器を持ってキッチンに行くと、櫻井君に話し掛けられた。
「庄野さん、それで今度一緒にご飯食べに行く?」
「…うん。」
私が答えると櫻井君は少し笑顔になった。
「なら、後で連絡先交換しよう。」
こうして私は櫻井君と一緒にご飯を食べに行った。櫻井君は話題が豊富で楽しかった。私は次に遊びに行く誘いをされたが断らなかった。
次に櫻井君と会った時、彼は車で来てくれた。結構高級車だったので驚いた。家のセカンドカーを貰ったと言っていた。
櫻井君ってお坊ちゃんなのかな?そういえば着ている服もブランド物だ。
その日は水族館とその周りにある施設に遊びに行った。そこでも櫻井君がリードしてくれたので私は付いていけば良かった。
帰りは私の家の側まで車で送ってくれた。
「あの櫻井君、今日はありがとう。結構出してくれたし、運転も…」
櫻井君は自分が誘ったからと殆ど払ってくれた。
「…庄野さん、楽しかった?」
「うん。」
櫻井君はじっと私の顔を見た。
「庄野さんっていいコだよな。」
「はあ…どうも…」
「ちょっと天然だけど、それ、男に慣れてないからだもんな。」
「……」どこら辺が天然かはよくわからなかったけど、時々櫻井君は吹き出していた。
「庄野さん、俺と付き合わない?」
私はキョトンとした。
最初のコメントを投稿しよう!