新たな出会い

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付き合うって、彼女になってって言ってるんだよね。 どうしよう…櫻井君とはまだこうして二人で会うのは二回目だし…でも、勿体つけるのもどうかって話よね… 私はまた千沙の顔が浮かんだ。 「うん、付き合う。」 櫻井君はまた吹き出した。 「庄野さん、返事軽いなあ。」 そうして私の頬を触った。 「俺、結構庄野さんのこと好きだけど、庄野さんは俺のことどう思ってるの?」 「…櫻井君のことは好きだよ。」 触られても嫌じゃないから、きっと好きなんだよね。 「じゃ、キスしてもいい?」 「え?」 櫻井君は私の返事をする前にキスをした。 あ、これファーストキスなんだ… キスを続けていたら舌が入ってきた。 私はよくわからなかったが、目を閉じて何とか櫻井君の舌を絡ませていた。 櫻井君は顔を離すと少し微笑んだ。 「庄野さん可愛いな。名前で呼んでいい?」 「う、うん…」 「澪…好きだよ…」 櫻井君はそう呟いてまた、キスを再開した。 しばらくキスをして、櫻井君はまた私の顔を見た。 「キス…俺が初めてなんだよな。」 私は赤い顔で頷いた。 櫻井君は今度は私を抱きしめて頭を撫でた。 「こんな可愛いのに、全部俺が初めてになるんだ…たまんねえな。」 櫻井君は私を見つめて言った。 「澪…俺、澪のこと大事にするよ。よろしくな。」 「櫻井君、私の方こそよろしくね。」 私がそう言うと、櫻井君はまたキスをし始めたのだった。 こうして私は櫻井君…勇くんと付き合うことになった。 千沙に話したら千沙はとても喜んでくれた。 勇くんとは、付き合って一月後に結ばれた。何となくだけど勇くんは本当は手が早いタイプなんじゃないかと思っていた。だから一月でも結構我慢してくれていた気がした。 初めては周りの友達が言っていた通り痛かった。私は涙が出てしまった。 勇くんはそんな私の涙を拭ってキスをした。 「澪…これで全部俺のモノなんだよな…ありがとな。」 私は一瞬兄の顔が浮かんだ。 私は返事をする代わりに勇くんに抱き付いた。 「澪ってほんと可愛い。ずっと一緒にいような。」 勇くんはそう言って私を強く抱きしめた。 私も初めての人が勇くんで良かったと思ったのだった。
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