彼の家族

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その後は響くんのお母さんが、今日は私が来たからと店を早めに切り上げてくれて、夕飯をみんなで食べることになった。 私は作るのを手伝おうとしたが今日はお客様だからいいと言われた。 その後はお姉さんの部屋を案内されてお姉さん夫婦が帰った後、お風呂をいただいた。 お姉さんの部屋で私はベットに腰掛けてしばらくボーッとしていた。 するとドアをノックする音がした。返事をすると「俺」と響くんの声がして彼が顔を覗かせた。 「みお、もう寝る?入っていい?」 「ど、どうぞ。」 響くんが部屋に入ってきた。そして私の隣に座った。 響くんもパジャマ姿だ。何かドキドキする… 私は照れて顔をそらしてしまった。 「みお、大丈夫?寝れそう?」 響くんが話し掛けた。 「う、うん寝れそうだよ。」 「今日いろんなことがあって疲れたろ。」 「そ、そうだけど、でも、響くんや家族の方たちがすごく良くしてくださるから…」 「俺の家族は大丈夫?」 私は響くんの顔を見た。彼は心配そうな顔をしていた。 「みなさん優しくて感謝しかないよ。」 「そっか…良かった。姉貴がちょっと心配だったけどみおを見て安心したっぽいな。」 「う、うん…」 そういえば私、お姉さんに響くんの彼女と勘違いされたんだ。 私はまた、赤くなりそうになった。 「俺、明日から学校だし、日中はみおは俺以外の家族と接することが多いからさ。ちょっと心配だったんだ…」 「響くんは中学校の先生なんだっけ。」 夕飯の時に聞いたのだった。 「ああ。」 「体育の先生なんでしょ。すごいね。」 「筋肉バカっていいたいんだろ。」 「そんなことないよ。スポーツができるのは尊敬するよ。」 私が言うと、響くんは優しい顔で私の頭を撫でた。 「俺、日中は傍にいれなくてわりいけど、何とか頑張れよ。」 響くん…どうしてこんなに優しいのかな… 私は心臓がドキドキ鳴った。 「う、うん。響くん、何から何までありがとう。」私は何とか平静を保って言った。 「俺の部屋隣だし、奥の部屋にはお袋もいるから何かあったら遠慮なく呼べよ。」 「うん。ありがとう。」 「じゃ、お休み。」響くんは笑顔で言って立ち上がった。 「お休みなさい。」私も笑顔で返した。 「みお…」 「ん?」 「そうやって、みお、笑顔が増えるといいな。」 響くんはまた優しい顔で言った。 そして響くんはもう一度クシャっと私の頭を撫でて、部屋を出ていった。 「…………」 私は赤い顔をしながら、彼が出ていったドアを見ていたのだった。
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