懐かしい顔

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遼太くんからは、早速その日の夜にLINEが送られてきた。 『今日会えて良かったです。一週間お疲れ様っす。』 メッセージと共にスタンプも入ってきた。 『懐かしくて驚きました。大学生活楽しんでね。』 私もスタンプを返した。 遼太くん…結構律儀なんだな。 私は意外に思った。 すると次の日も『おはよう』のスタンプが入ってきた。 遼太くんってマメなんだ… 朝からスタンプを返すのは学生の時以来だったので逆に新鮮だった。 そっか…遼太くん学生だから、友達とこんなLINEのやり取りをしてるんだ。社会人の私にもしてくれてやっぱり律儀かも… 私は微笑ましく思えた。 それから遼太くんからは毎日LINEが入ってきた。でも、朝と夜の挨拶ぐらいだったので私も気軽に返事できた。 パスタ屋さんはその後も週に一度は通っていた。遼太くんは会える時と会えない時があった。お店では仕事中なのもあり、私に会釈するぐらいでそう話し掛けてはこなかった。 四月も終わりゴールデンウィークに差し掛かった。 明日から休みに入る日の夜、遼太くんからLINEが入ってきた。 『澪さん、ゴールデンウィークに空いてる時ありますか?』 私は驚いた。 『どうしたの?』 『もし良かったら中学校の現場の話聞かせて欲しいなって。飯食いながら。』 そっか…遼太くん、中学校の先生になりたいから私の話を聞いて参考にしたいとか? なら、協力しようかな。 何か遼太くんって、弟みたい。まあ…歳はかなり離れているけど… 『いいよ。いつにする?』 こうして、ゴールデンウィークの最終日に、遼太くんとご飯を食べに行くことになったのだった。
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