懐かしい顔

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ゴールデンウィークは、兄とはLINEので近況報告をして終わった。 兄も特に変わりは無さそうだった。 ただその中で一つ驚くことがあった。 『澪…一応報告だけど、孝輔、結婚することになったよ。』 孝輔さん…結婚するんだ。 私は嬉しかった。彼には幸せになって欲しいと願っていたから。 兄は孝輔さんの結婚式に招待されていて、出席するそうだ。 私は兄と孝輔さんの親友の縁が続いていたことにも安心したのだった。 ゴールデンウィークの別の日には職場の若い先生たちとバーベキューをした。 その時、新卒の男の先生に妙に馴れ馴れしくされたが、彼女持ちの先輩の先生が「お前、もっと先生として修行してからじゃないと、庄野先生には歯牙にも掛けてもらえんぞ。」と気を利かせて牽制してくれた。 他には、千沙と久しぶりに会った。 千沙も元気そうだった。そろそろ今の彼と結婚を考えてると言っていた。 「澪はどうなの?相変わらず響さんのことで拗らせてるの?」 「な、何よ千沙、そんな言い方…」 「いい加減吹っ切って、新しい人と付き合ったら?三年も経ってるんでしょ。こう言っちゃ何だけど響さんも、もう結婚してるんじゃない?」 「わかってるけど…」 「澪、お兄さんのことは完全に吹っ切れてるんだよね。お兄さんは相手がいるの?」 「それは…わからない。いるかもしれないけど、私には話さないから。」 「そっか…」 「あ、でもね…」 私は、孝輔さんのことを話した。 「澪、他の人はどんどん幸せになっていくのにあんたはそれでいいの?未だに彼氏もいないなんて。」 「だって…好きになれる人じゃないと…あ、そう言えば…」 私は遼太くんと再会した話をした。 千沙は驚いていたが、急におかしなことを言い出した。 「澪、その遼太くんはどう?」 「へ?」私は変な声が出た。 「遼太くん、聞いてるとミニ響みたいじゃない。ちょうどいいんじゃない?」 「な、何言ってるのっ遼太くんは九歳離れてるんだよ。弟にしてもまだ若いし、何なら教え子たちに近いぐらいだよ。」 「澪、この際相手がうんと年下でもいいんじゃない?あんた童顔だし、きっとそんなに離れて見えないわよ。」 「千沙、そういう問題じゃないって…」 千沙に変な風にからかわれて終わり、ゴールデンウィーク最終日の夜になった。
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