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「遼太くん…どうして知ってるの?」
「だって島の海で会った時、澪さん葛西先生のこと完全に惚れた男を見る目で見てただろ。葛西先生だってあの時、俺らのことモロ邪魔者扱いだったしさ。だから付き合ってるのかなって思った。カズヤは気付いてなかったけど。」
えっあの時遼太くんにはバレバレだったんだ…
私は真っ赤になった。
「でも、葛西先生、澪さんのこと親戚のコだって誤魔化してたから、俺、それ、澪さんがてっきり未成年だからかなって思ってた。先生が未成年と付き合うのは対面上良くねえんだろ?だから俺も気付かない振りをしてたんだけど…」
「えっ遼太くん、島にいた時の私、成人してないと思ったの?」
「うん。高卒ぐらいに見えた。」
え、私、童顔だとはいえ、そんなに若く見えてた?
あの時は薄化粧だったし、やっぱり記憶喪失だったからかな…
「でも、澪さん、いつの間にか島を出ちゃってたよな。その時に葛西先生とも別れちゃったの?」
「う、うん…」
「どうして?」
「急に内地に戻ることになって…」
「そうなの?ピアノ教室も始めたばかりだったのに?」
ピアノ教室のこと遼太くんも知ってたんだ…
「うん…教室の生徒さんたちには申し訳なかったけど。」
「ふーん…」
私は心臓がバクバクしたが、お酒も入っていたので思い切って聞いてみた。
「遼太くんは、か、葛西先生が今、どうしているか知ってるの?」
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