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遼太くんからはその夜にLINEが入ってきた。
『今日はご馳走になってすみませんでした。お休みなさい。』
それと共にお休みのスタンプが送られてきた。
え?キスのことはスルー?遼太くんにとって、もしかしてキスって挨拶と一緒なの?
私は混乱しながらも
『送ってくれてありがとう。お休みなさい。』と無難な挨拶を返した。
何なんだろ遼太くん…ワケわからないけど…あ、そういえば響くんが昔、遼太くんは私のことタイプだって言ってた…
でも、それは私のこと未成年だと思い込んでたからだろうし、私、年齢打ち明けたよね。なのにキスってどういうこと?
私は自問自答を繰り返したが、さっぱり遼太くんの真意はわからなかった。
そして一週間が経ち、遼太くんと出掛ける日になった。
遼太くんは言っていた通り私のアパートまで車で迎えに来てくれた。
車に乗り込んで私はお礼を言った。
「遼太くん、ありがとう。この車は遼太くんの?」
「いや、レンタカー」
「えっわざわざ借りてくれたの?」
「今日、少し遠い所に行きたいから…」
「そ、そう?ならレンタカー代出すよ。」
「ダメ。この間奢ってくれたし。」
「………」
車が出発した。
「遼太くん、もう免許持ってるんだね。」
「大学の試験が終わったらすぐ車校に通ったんだ。普段は原付に乗ってるけど、本当は二輪の免許も取りたいんだけどな。」
「遼太くん、バイクに乗りたいの?」
「うん。」
「ふーん…」
ふとバイクに乗っていた響くんの顔が浮かんだ。
「でも金かかるしなあ。」
「下宿だと大変だよね。」
「仕送りをもらってるけどな。」
「学生だもん。当たり前じゃない。」
「まあ…そうだけど…」
「遼太くん、どこで買い物するの?ショッピングモール?」
「いや、島からよく行ってたところ。その方がよく知ってるから。」
そこってもしかして…
その後は遼太くんと取り留めのない話をして、目的地に着いた。
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