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お昼に入った場所は、ニューヨークスタイルのハンバーガー屋さんだった。
お客はほぼ、私より年下に見えた。
「澪さん、ハンバーガーで良かった?」
「うん、ここお洒落だし、自分一人では入らないし、いいよ。ただ、私、浮いてるかもしれないけど。」
「そんなことねえよ。澪さん、俺の彼女だって店員さんにも言われてただろ。若く見えるから得でいいじゃん。」
「は、はあ…」
「澪さんは、服買わねえの?俺ばっかに付き合ってもらってさ。」
「だって今日はそのつもりだから全然いいよ。」
遼太くんは私の格好をじろじろ見た。
「澪さんの格好可愛いけど、もっとラフな服装も似合うと思うんだけどな。」
「えっ」
私は遼太くんに可愛いと言われてドギマギしてしまった。
「島にいた時、そういう格好だったじゃん。もう、しねえの?」
「あ、う、うん、そうだね。」
響くんを思い出すから島で着ていた服はもう着てなかった。今は昔のスタイルに戻してい
た。
「俺、一緒に見ようか。澪さんジーパンにTシャツ姿も似合うと思うよ。」
「い、いいよ。遼太くん、私は本当に。」
「そう?じゃ、これからどうする?澪さん、まだ時間いいだろ?」
「え、う、うん…」
「ゲーセンにでも行くか。」
響くんと行った時のことが浮かんだ。
「げ、ゲームセンターはちょっと…」
「何で?」
「あまり好きじゃなくて…」
「ふーん…」
また、私、感じ悪かったかな。どうしよう、この際帰ろうって言った方がいいかな。
「…じゃ、遊園地は?」
「え?」
「この近くにそこまでは大きくないけど遊園地があるんだよ。」
「へえ~遊園地があるんだ…」
「じゃ、そこに行くか。澪さん途端に乗り気の顔になったし。」
遼太くんはニヤッと笑った。
「だ、だって遊園地なんて…ずっと行ってないし…」
「そうなんだ。俺も行くの久しぶりだ。」
遼太くんも嬉しそうな顔になった。
良かった…
私は遼太くんの顔を見てホッとしたのだった。
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